月隠れの庭

慌ただしく出かけて行った2人を見送った後、尚人は緊張の糸が切れたようにリビングのソファに体を預け、目を瞑った。


酷く疲れている…。


いくら流星のくれた法具があったとはいえ、人鬼の強い障気を完全に防ぐのは無理な話だった。

触れることが出来る距離にいた事を考えれば、この体のだるさは説明がつく。

直接でないにしろ、対峙する時間が長ければダメージは大きい。

だが、辛い顔を見せれば心配する幼なじみの前では、絶対にそれだけは出来ないし、したくないと尚人は思っていた。


(人鬼が傍にいると、この目は反応するんだ…)


ちりちりとした焼けるような痛みを思い出し、そっと唇を噛む。

それは今までになかった感覚だった。