月隠れの庭

しかし流星を我が子同然に思う彼女の気持ちも分からないでもないので、


「仕方ないなぁ。じゃあ、流星の判断に任せるよ」


タメ息まじり、尚人は幼なじみの顔を見た。


「うーん、用事も大切だけど緊急ってわけじゃないからな…………分かった。今日は1日、夏緒さんにつき合うよ。そういう事でいいか、尚人?」

夏緒の頼みとあっては、むげに断るわけにもいかないという彼の返事に、

「嬉しいわ。じゃあ尚人、お留守番よろしくね」

嬉々として夏緒ははしゃいだ。


「えっ…3人でじゃねーの?」


流星はポカンとする。


「尚人はいつも一緒だからいいの。さ、そうと決まったらこうしてる時間も勿体ないわ。パパッとご飯を食べて、出かけましょ!!」


夏緒は残っていたサラダをペロリと平らげると、席を立った。


「どうしよう…オレてっきり3人で行くもんだとばかり思ってたんだけど…」

「後片付けはしておくから、気にしなくていいよ。どうぞ、ごゆっくり」


あわあわしている彼に向かい、尚人はにこりと微笑んで手を振った。