月隠れの庭

「それに害を与えに来た感じじゃなかったから」

「じゃあ、今まで雲隠れしていたヤツが自ら出向いてまで、お前に何の用だったんだよ」


「…早く捕まえに来いって」


「何だ、それ?」

「そのままの意味だよ」

「わざわざ、それだけを言いに?」

変な話ではあるが、嘘はついていないようなのでそれ以上の追求は止める事にした。

尚人はチラリと彼に視線を向けると、


「あの蔵を僕に調べさせてくれないかな」


言いにくそうに口を開く。

「蔵を?今さら何も出てこないと思うぞ。オレがあそこは散々調べ回ったんだからな」

「分かってる。流星が信用できないとかじゃないから…気を悪くしないで欲しいんだ」


「そんな事思わねーよ」


流星は軽くタメ息をついた。