月隠れの庭

貰ったばかりの指輪が光を失い、黒く濁ってしまっている。


「どうなって…」


唖然と呟く尚人に、


「これをただの指輪だと思うなよ。霊に触れると、こいつは黒く変色するんだ」


隠し事をされて不愉快だという顔をすると、流星は手を離した。


「相当強いヤツだったんだな、この足跡の主は」


彼の言葉に尚人は俯く。

「…人鬼か」


「うん…」


流星は小さくタメ息をつくと、


「何でオレを起こさなかったんだ」


「そんな…夜中だったし、母さんもいるのに助けなんて呼べるわけないだろ。第一、近所迷惑じゃないか」


「お前なぁ」


緊張感のカケラもない答えである。