月隠れの庭

途端、尚人は深夜の出来事を思い出し青ざめた。


「たぶん、オレが連れてきたんだと思う」


流星はモップで床を拭きながら、ぼそりと呟く。

連れてきた…言われて、『たぶん』とはそういう意味かと尚人は理解した。


「で…お前、いったい夜中に何と接触したんだ?」


顔を上げぬまま、掃除を続ける流星の言葉に、


「えっ!?」


尚人はドキリとする。


「な…何の事?」


「しらばっくれんのか」


「しらばっくれるも何も…流星の言ってる意味が分からないよ…」


「…ふーん。だったらコレは何だよ」


流星は尚人の手首を掴むと、顔の前まで持ち上げて問い詰める。


「!」


尚人も初めてその異変に気づき、大きく目を見開いたまま息を呑んだ。