月隠れの庭

      ☆

部屋に戻って人鬼の事を考えているうちに、ウトウトしていたらしい。


「尚人…おい、起きろ」


「う−ん…何?」


流星に乱暴に揺り起こされて、尚人は目を覚ました。

手元の時計を見ると、まだ明け方の5時である。


「こんなに早くどうしたの…」


言いながらも再び目を閉じようとする尚人の腕を引っ張り、無理やり起こすと流星はそのまま廊下へと連れ出す。


「ち…ちょっと、どこ行くんだよ」


様子がおかしい幼なじみの態度に、尚人は目を覚ました。


「夏緒さんが起きる前に、掃除手伝え」


「掃除!?流星、何かドジやったの?」


「たぶん」


「たぶん?」


曖昧な返事に、尚人は訝しげな顔をする。


「これ見てみろよ」


1階の廊下を指差すその先を見て、彼は驚いた。


「な、何…!?」


そこには大きな泥の足跡が、転々と玄関の方へと続いていたのだ。