月隠れの庭

「!!」


尚人は目を覚ました。


「夢…」


ここ最近、人鬼の夢を見る事はなかったのに。

流星と久しぶりに会って、昔の話しをしたからだろうか。

記憶の奥深くに眠っていたあの幼い頃の体験が、呼び起こされたのかもしれない。


尚人はベッドをそっと抜けると、流星を起こさないようそっと部屋を出る。


渇いた喉を潤しに1階のキッチンへ下りて来ると、電気は着けずに冷蔵庫から麦茶を出してコップに注いだ。

一気に飲み干すと、流し込んだ液体がひんやりと喉の奥へ落ちていく。


ギシ……


「?」

廊下の軋む音が聞こえた気がして、尚人は背後を振り返った。