☆
どんなに忙しくても毎日顔を見せていた時崇がパタリと来なくなったのは、粉雪の舞う冬のある日のこと。
「左吉さん」
恒靖は食事を運んで来た使用人にこっそり声を掛ける。
「何でしょう?」
本当は恒靖との会話を禁じられているらしいのだが、左吉はこんな境遇を不敏だと思っているらしく時々言葉を交わしてくれた。
「兄の身に何かあったのだろうか…」
「それが…時崇様は風邪を拗らせて、ここ数日床に臥せってなさると言う話です。急に寒くなりましたからね、お体に障ったのでしょう」
「そうか…」
生まれつき体が弱い兄の身を案じて恒靖が表情を曇らせると、
「大丈夫ですよ。暫くしたら、また元気なお姿でここを訪ねて来られましょう」
左吉は人当たりの良い笑顔を向ける。
「そうだな…」
頷いてみたものの、なぜか恒靖の心は晴れなかった…。
どんなに忙しくても毎日顔を見せていた時崇がパタリと来なくなったのは、粉雪の舞う冬のある日のこと。
「左吉さん」
恒靖は食事を運んで来た使用人にこっそり声を掛ける。
「何でしょう?」
本当は恒靖との会話を禁じられているらしいのだが、左吉はこんな境遇を不敏だと思っているらしく時々言葉を交わしてくれた。
「兄の身に何かあったのだろうか…」
「それが…時崇様は風邪を拗らせて、ここ数日床に臥せってなさると言う話です。急に寒くなりましたからね、お体に障ったのでしょう」
「そうか…」
生まれつき体が弱い兄の身を案じて恒靖が表情を曇らせると、
「大丈夫ですよ。暫くしたら、また元気なお姿でここを訪ねて来られましょう」
左吉は人当たりの良い笑顔を向ける。
「そうだな…」
頷いてみたものの、なぜか恒靖の心は晴れなかった…。


