月隠れの庭

「いつも見ていた訳じゃないんだ。君が楽しいと感じたり、危険な時だけその目を通して外の世界を見ていた…本当だ」

彼の言葉に、尚人は振り返る。

「…も、もしかして霊が見えていたのは、あなたがワザと僕に?」

「君はそういうのに好かれるタイプみたいだから…しかも無意識にやっているのか、本来見える体質でありながら見ようとしない。だから私の目を通してはっきり見せれば、危険が回避できるだろうと思ったんだ。鬼の私が言う科白ではないだろうが…」

そういうと、恒靖は尚人を掴んでいた手をゆっくりと離した。


「尚人…」


「は、はい」


「お願いだ…私の話を最後に聞いてくれないか」

言われてハッとする。


(そうだ、話をする為にココへ来たんだった…)


願いの言葉に、尚人はコクリと頷いた。