月隠れの庭

「えっ?」

「ここにあるものの心配なんて、どうでもいいんだよっ!!形あるものは、いつか壊れる。それよりお前はどうなんだ、どこも痛くないのか!!」


「…あ、うん…」


凄い剣幕で怒鳴られた尚人は、目を丸くしてコクコクと頷く。


「ならいいんだよ」


流星ははぁっと安堵のタメ息をついた。

「でもそれは流星の意見であって、おじさんの意見じゃないから」

尚人が苦笑すると、

「親父も同意見だろ?」

鼻息荒く流星は尋ねた。

ところが息子の言葉とは裏腹、


「それがなぁ…ここには結構大切な先祖にまつわる代物があるんだ…」


正成は言いにくそうに呟いた。

その様子は事態の深刻さを物語っている。