ラブソングは舞台の上で


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「お母さま! お母さま!」

「アンジェラ。朝から大声を出して。ちょうどお茶が入るから、少し落ち着きなさい」

「落ち着いてなどいられません。一体どういうことですか」

「あら、何の話かしら」

「わたくし、結婚なんてまだするつもりがありません」

「ベルタ王国のマーティン王子の話ね。いいお話でしょう?」

「お母さま。お母さまはわたくしによく知りもしない殿方と結婚させるおつもりなのですか」

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「ストップ」

高田さんの声で、いったん読み合わせをやめる。

全員の視線が、私に注がれている。

私、何かやらかした?

高田さんは眉間に思いきりしわを寄せ、そこにトントンと指を当てて、何かを考えている。

「あのさ、明日香ちゃん……」

タカさんが遠慮がちに私を呼んだ。

「言いにくいなら、俺が言います」

晴海が割って入る。

「いや、でもさ」

男たちがモゴモゴしていると、恵里佳女王様があっさりと口に出した。

「明日香さん、ヘタ過ぎ」

……わかってるもん。

でも、そんなにハッキリ言わないで。

「すみません」