ラブソングは舞台の上で


眉間にしわが深く刻まれ、そこからキッと眉が吊り上がる。

目も鋭くなって、一気に殺気立つ。

今までに見たことのないような怖い顔を向けられている。

一体どうしたの?

晴海が立ち上がると、本能的に少し退く。

床に触れているお尻と背筋が冷えた。

「晴海?」

「恥ずかしいって、何だよ」

急に低くなった声が、部屋中の空気と体を震わせた。

「え?」

私は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった。

「俺たちのこと、そんな風に思ってたのかよ」

「ちが……」

怖くて言葉が上手に出て行かない。

違うよ。

みんなを恥ずかしいなんて思ってない。

「俺たちのやってるミュージカル、恥ずかしいって思いながらやってたのかよ!」

思ってないよ。

本当に、思ってない。

そういう意味で恥ずかしいと言ったわけじゃないのに。

「そりゃあプロの舞台と比べれば演技のレベルも会場の質も劣るけど、田舎の小さくてしょぼい劇団だけど、人を楽しませるためにやってんだよ。みんな別の生活がある中、必死にやってんだよ。それを、恥ずかしいって……!」