ラブソングは舞台の上で


晴海には、白状しておこう。

何かアドバイスをくれるかもしれない。

「どうかした?」

「あのね、実は……アテがなくて、苦戦中」

私がそう言うと、晴海は渋い顔をした。

「アテかぁ……」

「この町に来てから、会社の人たち以外、ほとんど関わりがなくて。すごく寂しい人みたいに聞こえるかもしれないけど、この町に友達いないの」

おまけに彼氏まで会社の人だったから、社外で交流があったのは翔平の家族や友達だ。

別れてしまった今、彼らに声をかけるわけにはいかない。

晴海はスツールに腰掛け足を組み、顎に手を当てて考えてくれている。

「じゃあもう、会社の人たちに売り込むしかないか。俺の売り上げ分から立て替えてやりたいところだけど、そんなに余裕ないんだよな」

「ううん。自力で頑張りたいって思ってる。わかってるの。会社の人たちに声かけるしかないって。でもまだ言ってなくて。なかなか勇気が出ないの」

晴海は首をかしげた。

「え? なんで?」

自分の考えや好きなものを堂々と口に出せる晴海には、わからない感覚かもしれない。

「なんていうか、ミュージカルやってることを言うの、ちょっと恥ずかしくて」

背中を押してくれることを期待して、告げる。

いつもみたいにヘラッと笑って、大丈夫だよと、明日香なら言えるよと、鼓舞してくれると思っていた。

しかし晴海の表情は、私が望んだのとは違う顔に一変した。