ラブソングは舞台の上で


晴海は結局、私が自主練を終えるまで稽古場にいた。

一人で携帯をいじっていることもあったし、二人で踊るダンスの練習では一緒に踊ったりもしたし、私がセリフを言うと、次のセリフを返してくれた。

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「正直に言いますわ。わたくし、あなたと結婚なんてしたくないの。あなたが嫌だというわけじゃないのよ。ただ、私だって女ですもの。恋をした殿方と一緒になりたいの」

「おやおや、どうやら僕たちはとても気が合うようだ」

「どういう意味かしら」

「僕も同じことを考えていたのですよ、アンジェラ姫。僕だって、親に決められた相手ではなく、恋をした姫君と一緒になりたいと思っています」

「あらほんと。わたくしたち、とっても良いお友達になれそうだわ」

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マーティンとアンジェラが出会った日の、お見合いで二人きりになったシーン。

この日、彼らはお互いを慕い合う日が来るなんて想像もしていなかった。

夢見るお姫様、アンジェラ。

しっかりもののマーティン。

この二人の性格は私たちと全然違うけれど、自分達と重なって愛しく感じる。

私も晴海と出会った日、まさかこの男を好きになるなんて思ってもみなかった。

絡まれて飲まされて歌わされて吐かされて。

この男から逃げたくて仕方なかった。