ラブソングは舞台の上で


私の第一声に、晴海はすぐには反応しなかった。

寝起きで頭が働いていないらしい。

「……ああ。アンジェラか」

ガサガサと布が擦れる音かする。

ベッドに寝転んで話しているのだろう。

とりあえず電話に出てくれてよかった。

今のこの勢いがなくなったら、きっともう自分から電話する勇気なんて生まれなかったと思う。

「二日酔いで苦しんでるところ申し訳ないんだけど、私、今すごく困ってんの」

「どうした?」

「タカさんにあんたとギクシャクしてるのを解決しろって釘を刺されて、そのあと恵里佳ちゃんに宣戦布告された」

「あー……」

二人をよく知る晴海は、その情景が浮かんだのか、電話口でもわかるくらい納得したような声でうなる。

「恵里佳ちゃんの件はとりあえず私が頑張るとして、私たちの変な空気は一人では解決できないの」

「うん」

「だから、これからそっち行ってもいい?」

お願い、ダメだなんて言わないで。

断られたら、もう解決なんてできないかもしれない。

鼓動に合わせ、指まで軽く震えている。

「ダメ」