ラブソングは舞台の上で


これはもしかして、「今日は明日香が潰れても俺は介抱できませんよ」というメッセージ?

いやいや、私はいつからこんなに自意識過剰になったのだろうか。

晴海がまた私を避けるのなら、もう期待したりしない。

心が痛むし、今日はできるだけ彼に近付かないようにしよう。

「大体は揃ったな。じゃあ行くぞ」

高田さんの合図で公園を出発。

神社へ向かう。

地元の神社の参道は、普段は閑散としているが、今日は人で溢れかえっている。

20分くらい列に並んで、みんなで舞台の成功祈願。

予め準備していた絵馬を掛け、各々おみくじを引く。

「明日香ちゃん、どうだった?」

ともちゃんが覗いてくる。

「小吉だって。微妙……。ともちゃんは?」

「中吉。恵里佳は?」

恵里佳ちゃんは当然という顔で、その紙をこちらに向けた。

「大吉に決まってるでしょ」

さすが恵里佳女王様である。

「よかったね。きっと受験も上手くいくね」

私が言うと、腕を組んでフンと鼻を鳴らす。

「受験なんて余裕だし」

こんな態度も、慣れてくると可愛いものだ。

チラッと晴海の方を見ると、男勢は男勢で盛り上がっている。

晴海だけは辛そうな顔をしている。

みんなで初詣なんて久しぶりだ。

社会人になって以来、年末年始は翔平と旅行に行くことが多かった。

もし私が劇団に参加していなかったら、この連休をどう使っていたのだろう。

久しぶりに実家にでも帰っていただろうか。

それとも一人で旅でもしたのだろうか。