……ん?んんん!?
突然、僕の体が、ふわっと持ち上がった。
目の前には、知らない人間の女の子。
背がかなり小さい、幼い子だった。
珍しいな、人間はみんな、僕のこと見向きもしないのに。
ライオンだから、怖い顔をしてるって。
僕、見た目とは全く逆なんだけどなぁ……。
「かーわーいーいーっ!」
わしゃわしゃと、結構乱暴に、女の子が僕の頭の毛をなでる。
わー、わーっ!
ダメだって、毛が抜ける!
人間のおじさんみたいに、はげつるぴっかになっちゃう!
だけど、そんな僕の願いは届かなくて、女の子はひとしきり僕をなでると、大きな声を上げた。
「おじさーん!このライオンいくらー?」

