泣き虫らいおん【短編】




あ……


あの時のことかな。


言い返そうとしたけど、出来なかったときのことだ。


僕、みゆちゃんに泣いてほしくなかったから。





“願いを、言ってみよ”





「僕の願い……?」





僕……


僕は──。





「みゆちゃんと、話したい」





そう言うと、僕の手の中にあった魔法のお星様が、スウッと上に登っていった。





“その願い、叶えよう”





「ほんと……?」





“ただし、条件がある”