泣き虫らいおん【短編】




階段を一番上まで上がると、そこは真っ白な空間だった。


あたりを見回しても、ただひたすら、真っ白だった。


佇む僕。


そして、





“君の願いを叶えよう”




誰かの声が、聞こえてきた。


もしかして……。


いいや。


これは、神様の声だ。





“君は、強くなった。だから魔法の星を授けた”




「僕、強くなんかないよ」





“あの女の子を、守ろうとしたではないか”