泣き虫らいおん【短編】




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今日も、いつもどおり夜がやってくる。


みゆちゃんのほっぺたの上を、涙が伝っていた。


僕は、ずっとずっと、窓の向こうの空を見つめていた。


そして……12時になった。


今日はなんだか、いつもよりも星がきれいに見える。


ぽつり、ぽつりと瞬く星々。


その中にある、たった一つしかない月も、光を放っていた。


そして、空に浮かんでいる星たちのうちの一つが、キラキラと光りだした。


それも普通じゃなくて……虹色に。


虹色のお星様が、いつの間にか、僕の手のひらに乗っていたんだ。


空を見上げると、そこにあるのは普通の星だけ。


さっき光っていた虹色の星は、空から消えていて、その代わり僕の手の中にあった。


そこで、眩しいくらいに輝き続ける。