ただただ、みゆちゃんを悪く言う言葉を、聞いているだけだった。 みゆちゃん、泣かないで。 僕が悪いんだよ。 みゆちゃんは何も悪くないよ。 心の中で訴え続けていると、みゆちゃんはいきなり、ガタッ!と立ち上がった。 「ポチはかわいいもん!そんな風に言わないでよっ!」 みゆちゃんはそう叫ぶと、僕を抱っこして、赤いカバンも持って、教室を飛び出した。