泣き虫らいおん【短編】





そして、学校っていうところに到着した。


白くて大きな建物。


広くて夜になれば自由に走り回れそうな、校庭。


カラフルなおもちゃ。


……じゃなくて、遊具っていうんだって。


そして、きゃっきゃと走り回る、みゆちゃんと同い年くらいの女の子や男の子。


何だか、別世界みたいで、みゆちゃんはいつもこんなすごいところに来ているんだ……と、びっくりした。


みゆちゃんは僕を抱っこしたまま、学校の中に入っていく。


行き交う子どもたちは、みゆちゃんの腕の中にいる僕を、不思議そうに見ていた。





「みゆね、1年3組なんだよ~」





みゆちゃんの言っている意味がよく分からなかったけれど、うんうんと、心の中で素直に頷いた。