泣き虫らいおん【短編】



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それから、僕は毎日みゆちゃんと一緒に寝た。


朝とか昼は、いつもみゆちゃんが僕の頭をなでてくれる。


だから12時になったら、僕がみゆちゃんの頭をなでてあげた。


みゆちゃんが起きないように、そうっと。


夜が過ぎて朝日が昇ると、みゆちゃんは必ず、「おはよう」って言ってくれた。


それからみゆちゃんは、朝ごはんを食べて、赤いカバンを背中にくっつけて、“学校”っていうところに行く。


“学校”って、なんだろう?


気になって仕方がなくなった僕は、夜の間に、みゆちゃんの赤いカバンの上に座った。


みゆちゃんは、僕がベッドからカバンに移動していたことに驚いていた。


だけど、『お願い連れてって!』と、喋れないながらも目で訴える。


そしたらみゆちゃんは、




「今日はポチも連れてこうかな~」




って。


嬉しくて嬉しくて、たまらなかった。