泣き虫らいおん【短編】



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どれくらいの時間がたっただろう。


もう昼は過ぎて、夕方に近づいてきた。


まだ夜じゃないから、涙を流せない僕は心の中で泣いていた。


寂しいよ。


早く、みゆちゃんに会いたいよ……。


それから夜になり、あたりはとうとう真っ暗になった。




「──……っ、ポチー!、ポチーー!」





そのとき、遠くから、泣きながら僕の名前を呼ぶ声がきこえた。


僕の名前を知ってるのは、一人だけ。


みゆちゃんだ……。


やがて、僕の体は持ち上がり、みゆちゃんにぎゅっと抱きしめられる。