── ─── ──── それから、何時間も経った。 僕の耳は相変わらず痛い。 もうすぐ、朝日がでる。 よしっ、こうなったらもう、最後の勝負だ! 僕は足に力を入れて、ぶらんぶらんと、体を揺らした。 前に行ったり、後ろにいったり。 だけど失敗した……耳が余計痛い。 それでも、この行ったりきたりは止まらない。 やばい、どうしよ! そのときだった。 ──ビュウッ! かなり強い風が吹いて、その途端、バチンッと洗濯バサミから僕の耳が取れた。 ものすごく痛いけど、解放される! わーいわーい!