キスで結ぶ赤い糸



………え?

まさか……そんな筈、ないよね?



ふと脳裏に過った“教師”と“生徒”という言葉。



誉くんが指すその言葉の“意味”は……。



「も、しかして……」




「──そうだよ。俺の赴任先は華恋ちゃんの学校なんだ」

「……っ」


ゆっくりと目を閉じた後、苦しげな表情でそう告げた誉くんに、私の唇から動揺の吐息が洩れた。



「だから───」

「待ってっ!!」



待って。それ以上言わないで。


それ以上言われても整理出来ない。


理解、出来ないっ……!!




頭の中で駆け巡るのは、誉くんの言った“教師”と“生徒”という言葉と“俺の赴任先は華恋ちゃんの学校なんだ”という言葉だけ。


「……っ」


誉くんの服を掴んでいた両手がするりと離れ、行き場を無くしてベンチに静かに受け止められる。

そして、色濃くなった夕焼けに赤く染められた。