キスで結ぶ赤い糸




「誉くん!」

「華恋ちゃん」


家から数分の所にあるこじんまりとした公園。

そこが誉くんと約束した場所だった。



「ごめんねっ!遅くなっちゃった」

「大丈夫だよ。俺も今来たところだから」



広場の端っこ。

ブランコに寄り添うように設置されてある古びたベンチに誉くんはいて、目が合った瞬間、いつものように微笑み合って手を振った。



……なんだか、少しくすぐったい。


だって、いつもは私が家で誉くんを出迎えてるから、こんな風に誉くんが待っててくれるなんてデートの待ち合わせしてるみたいで照れてしまう。




「華恋ちゃん、座って?」

「うん!」


告白する前はあんなにも不安でいっぱいだったのに、告白したらそんな事頭から吹き飛んでいて。

今の私の頭の中にはもう誉くんに逢えた嬉しさで一杯だった。



だから、気付かなかったんだ。


誉くんのいつもの優しい笑顔が無いことに。