「華恋ちゃん、ありがとう」
「………っ」
突然、頭上から落ちてきた声と、体を覆う温もり。
「誉、くん……?」
温かいその温もりに、今、誉くんに抱き締められているのだとすぐに理解した。
「……っ」
いつも傍にいたのに、どうやっても感じることの出来なかった温もりが今、ここにある。
嘘……みたいだ。
抱き締められてる理由なんて今はもうどうでも良くて。
誉くんの温もりを感じていたい。
もっともっと感じていたい。
ただそれだけだった。
「華恋ちゃん」
どれぐらいの間そうしていたのだろうか。
誉くんの体がそっと離れ、その代わりとでも言うように誉くんの大きな手が優しく私の両頬を包み込む。
私の目から零れ落ちる涙をそっと優しく指先で拭ってくれた誉くんは、フッと優しく頬を綻ばせて私の瞳を真っ直ぐ見つめた。
「誉くん……」
そんなに優しい瞳で私を見ないで。
本当に自惚れちゃうよ?
もしかしたら誉くんもって勘違いしてしまう。
それでも、いいの?
「華恋ちゃん、俺──」
───コンコン。
「………っ」
「誉くん?華恋?もう終わった?ご飯出来てるから終わってたら降りてきてねー」


