キスで結ぶ赤い糸



「えっと、聞きたい事があるんだけど……」


穏やかな表情にホッと息をついたのも束の間、誉くんから返ってきたその言葉にグッと歯を食いしばって身構える。


このタイミングで聞きたいことって一体なんなんだろう。



「あの、さ……、華恋ちゃんって響くんと付き合ってるんじゃないの?」

「………へ?」



控えめに問いかけられたその言葉に思わず素っ頓狂な声が上がった。


だってだってだって。今、誉くんの口からとんでもない言葉が飛び出したような……



「確か優歌(ユウカ)さんがそう言ってたような気がするんだけど……」

「……っ」



うそっ!


誉くんの爆弾発言に椅子から落ちそうになった。

危なかったけどなんとかセーフ。


落ちなかった自分を心から褒めてあげたい。


じゃなくて!



「ち、違うよっ!響とは付き合ってるけど付き合ってない!」

「え?付き合ってるけど付き合ってないの?」



誤解されたくなくて必死にそう弁解したけど、どうやら誉くんには伝わっていないらしい。


そりゃまぁ、今の言葉で理解しろという方が無理な話だけど。


でも、これだけは本当に理解して欲しい。



「そう!付き合ってるけど付き合ってないの!響とは絶対に付き合ってない!」

「え?どっち?っていうか、ちょっと華恋ちゃん落ち着いて」



あたふたと慌てふためく私を見て、誉くんもつられて慌てる。


二人して何やってんだかって思うけど、私は至って真面目。


だって、誉くんにだけは誤解されたくないんだもん。