「ハァ……ッ!」


 まるで、何かしらの悪夢を見たかのように、僕は勢いよく飛び起きた。

 こんな起き方も珍しいけれど、身体中が汗で濡れて気持ち悪いなんて……こんなこと、今までなかったのに。

 半ば、期待の意味をこめてカレンダーの方に目をやるけど……やっぱり、日付は六月一日だった。

 なんだよ。期待させるなよ。ちょっとでも抜け出せたのかと期待した僕が馬鹿みたいじゃないか。

 溜め息を吐きながら、ベッドの上に後ろ向きで倒れ込む。ふかふかとしたベッドが、この上なく心地好い。

 もうちょっと横になってから起きようかな。佐藤たちを殺して、なんだか気が乗らないし。……まぁ、“また”生きているのだろうけれど。

 ベッドの上で寝転がりながら、壁にかかっている時計をぼんやりと見る。

 ああ……7時13分になったら、またお母さんが「四季ー!はやく学校の用意をしちゃわないと、遅刻するわよー?」って言ってくるのか。

 よくもまぁ、毎日毎日……いや、毎回毎回、ご苦労なことで。