二度目は偶然だった。 三度目は必然だった。 気がつくと、惹かれていた。 あまりに俺と正反対なそのおまえの人格に。 それに気づかぬフリをして、俺は自分をごまかしていた。 俺はおまえを殺るために、おまえといるのだと。 何度も訪れた、チャンス。 おまえを殺る絶好の機会。 なのに、俺は何もしなかった。 ようやく、俺は気がついた。 俺には、おまえを殺す気などなかった事に。 俺には、おまえを殺せないという事に。