実際そうだった。


 銃を下ろすと、辺りに火薬残渣がある。


 島田が、


「トノさん、やっぱ腕落ちてるね」


 と言い、苦笑いしてみせた。


「ああ、仕方ないだろ。これが訓練を怠った警察官だよ」


「まあな。俺もそう思ってる」


 相方が放った弾丸二発は、的の正面から大きく外れている。


 まあ、自然だろう。


 ここ二、三カ月は、まともに銃を使ってなかったのだし……。


 だが、新年度からはまたしっかり使うことになる。


 射撃も慣れれば、労苦を伴わない。


 むしろ犯罪抑止効果があり、刑事にとって必要だ。