「ああ、おはよう、トノさん」


 いつも通り、挨拶が返ってくる。


 デスクのパソコンの電源ボタンを押し、起動する合間にコーヒーを一杯淹れた。


 そしてデスクに就き、キーを叩き始める。


 課内庶務は所轄に専用の担当部署があるのだが、そこの人間たちだけじゃ、調書の電子化は間に合わない。


 だから、刑事課でも強行犯係の俺たちが駆り出されるわけだ。


 土曜、日曜と同じようなことが続き、週が明けた月曜も作業を続行する。


 火曜の非番の日は俺だけでなく、島田も休みなので、田之上や他の警官たちが踏ん張る。


 月曜の午後、午前中に続き、調書を打ち込んでいると、島田が、


「トノさん、羽野と衛藤はあの島から本庁に身柄を移されたよ。事情聴取が続いてるらしい」


 と言った。


「ああ。俺も気になってるんだ。アイツらがやらかしたことがね」