「うーん……数えきれないぐらい見たよ」


 と返す。


 そしてそのまま、小一時間歓楽街をパトロールした後、署へ戻った。


 刑事課内で、樋井が、


「トノさん、警視庁広域指定七×二事件で、本庁の国際捜査班がブルガビール島を捜索中らしいよ」


 と言ってくる。


「察庁の捜査員も行ってるんでしょう?」


「ああ。羽野と衛藤は捕まえたら、起訴した後、拘置所にぶち込んで、裁判に掛けないといけないからな」


「まあ、アイツらは懲りませんからね。人殺しなんですし」


 そう言って、軽く息をつく。


 赤道直下のブルガビール島は蒸すと思う。


 一年中夏の格好でも十分だ。