どこかしらに。


 その日の午前中、作業を続けながら、思っていた。


 事の真相は十分分かっている。


 いずれ一課の刑事が、羽野たちを捕まえると思えていたのだし、可能性に賭けてみようと思った。


 たとえ、犯人を捕まえられたにしても、ああいった人間たちだから、自白するかどうかは分からない。
  

 だが、きっと警視庁内も一つの事件で大騒ぎしているだろう。


 裏で尾花や横川が操っている。


 まるでコマでも使うかのように。


 まあ、推移を見ようと思っていた。


 ずっと目の前の仕事をこなしながら。