単に警官の任務を果たしながら、合間にやるのだ。


 その日も勤務が終わり、午後九時過ぎに署を出る。


 そして新宿駅へ向かい、歩き出す。


 夜の新宿は物騒だ。


 俺の目は歌舞伎町の方へ向かっていた。


 あの街はいずれ浄化しないといけない。


 欲望の塊だからだ。


 地下鉄に乗り込み、帰宅の途に就く。


 そしてその週もあっという間に過ぎ去り、木曜になる。


 ずっと倦怠気味だったが、暑い季節が終わり、過ごしやすくなっていた。


 署に出勤すると、島田がいて、


「おはよう、トノさん」


 と言ってくる。