「まあね。……そして検察の行った不正も隠蔽され、尾花監察官は検察庁から警視庁担当へと部署が変わった。不正がバレなければ、首は切られない」


 島田がそう言い、重たげに息を吐く。


 俺も言葉がなかった。


 だが、仮に尾花監察官が不正の主犯格だったことがバレれば、監察官職を解かれるだろう。


 いわゆる懲戒解雇というやつだ。


 その日、俺も気が漫ろだった。


 ずっと考えている。


 尾花が十五年前、当時付いていた検察庁で巻き込まれたトラブルと、その隠蔽工作を。


 刑事事件で言えば偽装工作だ。


 全く、大問題である。


 思っていた。


 このことはいずれ、警察関係者が真相を明かすだろうと。