準キャリアである以上、そこそこまでは行けると。


 だが、俺自身、警官として出世するよりも、むしろ職種特有の安定性の方が欲しかった。
 

 それは公務員であれば、誰もが考えることだ。


 よほどのことがない限り、食いはぐれないと。


 木曜の夜、自宅に帰り着き、安堵してから、食事と入浴を済ませた。


 そしてベッドに潜り込む。


 疲れていた。


 一晩眠った後、金曜も通常通り、朝起き出し、スーツに着替える。


 カバンを持ち、部屋を出て、歩き出した。


 スマホはバッテリーをフルに充電していて、画面に目を落としながら、ニュースを読み続ける。
 

 警官として、欲はない方だ。


 返って、常日頃都心にいると、何も考えたくなくなる。