本音が漏れ出てしまった。


 実際、そうなのである。


 尾花は監察官として、所定の仕事はしていても、あくまで役人の日頃の仕事ぶりを見るのが役割だ。


 警視庁だと、警部補以上の階級のデカたちに対し、聴取を行う。


 何かある。


 尾花はそれぐらい怪しかった。


 あの手の人間が何かに関わってそうで怖い。


 その日は業務に忙殺され、帰宅するため、署を出たのは午後十時過ぎだった。


 翌日日曜、通常通り出勤する。


 俺も忙しい。


 警察官の仕事は大変だからだ。


 朝から晩まで庶務に捜査、鍛錬など、暇がない。