ずっと警察官として立ち働いていて、巷でとんでもないことが起こると思うと。


　事件は山ほどある。


　警視庁管内に。


　所轄も大変だ。


　何かあれば、応援に行くのだし……。


　その日はちょうど金曜だったが、署のフロアに行くと、島田が先に来ていて、


「ああ、トノさん。おはよう」
　

　と挨拶してきた。


「ああ、シマさん。いつも早いな」


「もう午前八時二十分だよ。始業時間なんだし」


「うん。俺もすること山ほどあるけどな」


「庶務はちゃんとやろうよ。お互い刑事だからな。大事だよ」


　島田がそう言って、パソコンのキーを叩く。