公安は不穏な感じである。


 あちらも何かを窺っているような。


 その日の昼、弁当で食事を取ってしまってから、午後も執務する。


 剣道場か射撃訓練場に行こうと思った。


 鍛錬を怠らないように、である。


 だが、調書の整理などに追われていた。


 ずっと、だ。


 キーを叩きながら、打ち込んでいく。


 過去の調書を電子化するのは大変である。


 骨の折れる作業だ。


 そう思っていた。


 合間に事件捜査もある。


 新宿区内は縄張りだからだ。