多少眠れない時は起きておこうと。


 そうやって誤魔化していた。


 別に夜間眠れなくても、日中はずっと緊張感が続き、起きているのだから……。


 出勤日は普通に通勤していた。


 地下鉄に乗って、である。


 俺も用のないヤツには全く用がない。


 人間は生きていくうちに敵を作るというが、まさにその通りだ。


 そう思っている。


 嫌いなヤツのことなんか考えたって、意味ない。
 

 そんな風に感じていた。


 だから、割り切る。


 同じ署にも意見の合わない人間が若干名いたので。


 それに俺も刑事としての仕事の大変さは痛感していた。