刑事の昼間の緊張は凄まじいものがある。


 俺もいつも思っていた。


 ずっと勤務していて、仮に事態が急変したりしたら、すぐに行く必要があるのだ。


 暇がないのだった。


 ほとんど。


 まあ、所轄の管轄区内でも、何かと厄介なことが起きるのだが……。


 実際、先日の六本木中央署管内の通り魔事件も、被疑者が逃亡しているので、面倒だ。


 俺も思う。


 嫌疑の掛かった浅倉を逸早く捕まえるべきだと。


 だが、所轄の刑事たちは何かと鈍い。


 警視庁の刑事たちが応援に入れば、事態が変わるかもしれなかった。


 そう思える。


 金曜の夜は日付が一つ変わり、午前一時まで起きていた。