開演のブザーが鳴り、スモークが上がる。

あたしの鼓動は最高潮を迎える。





洗練された、そのパフォーマンス。

少しの狂いもない、完璧なその曲。

まっすぐ前を睨み、突き進む四人。

苦労して、バラバラになりかけて、再び繋いだ強い絆を感じる。

目の前にいるのは、今までよりも一回りも二回りも成長したFだった。





力強いその視線。

色気の漂うその唇。

まるで女を弄ぶかのようにギターを撫でるその右手。

あなたの奏でる少し切なげな旋律に身体を震わせ、あたしは涙をこぼしていた。







素敵な唄を、ありがとう。

こんなに身体が痺れて、胸が熱くて、頭がおかしくなりそうな音楽は初めて。

しかめっ面の四人の奥に、四人の笑顔が見える気がした。