九月上旬……。 「唯、毎度毎度ありがとね!」 待ち合わせ場所に現れた亜美は、頬を紅潮させて笑っていた。 今日はFの復活ライブ。 倍率が高すぎるこのライブのチケットを、やっぱり蒼はあたしにくれた。 なんと今日はライブハウス。 だけど、入場時間も一番ではない。 「ごめん。 唯ちゃんが目の前にいると、本気出せないや」 蒼はそう言っていた。 あたしはそれで満足。 少し離れたところから、蒼の最高のステージを応援している。