蒼のくれたアイスは、いちごの甘い甘い味がした。

まるで、蒼のようだった。






「美味しいね、唯ちゃん?」




再び笑う蒼。

妖艶でも何でもない、無邪気な笑顔だった。

そんな蒼に耐えきれずに言ってしまう。





「蒼って、ずるい」



「え?」




目をまん丸にする蒼。

その仕草は可愛いとさえ思う。




「無邪気に笑って、優弥さんにガキって言われたりしてるのに……

なのに、時には豹変するから」



「え?」




アイスにかぶりついたまま、子犬のようにまん丸な目をする蒼。




「碧のフェロモン……色気……

反則だよ」



「ふふふっ」




蒼は楽しそうに笑った。




「そんなの簡単に出来るよ。

俺さそういう時……」




蒼は少しだけ目を細めてあたしを見る。

まるで碧のようなその目つきにくらっとする。

身体から炎が出そう。




「唯ちゃんを抱いてる時のこと考えるから」



「ひっ……ひゃぁぁぁぁぁ!!」




あたしは大声で叫んでいた。



どうやら、今夜も眠れない夜になりそうだ。