「たっだいまぁ~」
蒼はいつものように元気に帰ってきた。
あの、テレビの碧の面影なんて全くなく。
「ねぇねぇ、唯ちゃん?
すっごい美味しそうなアイスあったよぉ!」
蒼は何事もなかったかのように、スーパーの袋をごそごそ漁る。
あたしの頭の中には妖艶な碧がまだいて、何だか恥ずかしくて蒼を直視することが出来なかった。
「唯ちゃんにもあげるよ!
一緒に食べよ?」
そう言って満面の笑みでアイスを差し出す蒼。
こんな蒼に少しだけ安心してしまう。
もし、今も蒼が碧だったなら……
あたしはその色気に気絶していたかもしれない。