だって、蒼は有名人。

あたしなんかと一緒にいたら……






「俺の彼女は唯ちゃんだって公表してる。

だから、何も隠すこともないんだよ」




そう言って、あたしの手を握る手に力を入れた。




「学校で関わらなかったのは、唯ちゃんに迷惑がかかるから」



「え……」



「俺の彼女だって噂になると、しんどいでしょ?」





そんなことない!

あたしはこんな素敵な蒼の彼女。

みんなに言ってやりたいよ!!





「だけどね、今日、俺のところに来てくれて、嬉しかった」




そうなんだ……。

蒼が外であたしに関わらなかったのは、そんな理由があったんだ。





あたしの思い込みで、学校では蒼を避けていた。

だけど、蒼はあたしのことを考えてくれていたんだね。

あたしは大丈夫。

蒼があたしを好きでいてくれるから、胸を張って蒼の彼女だと言うよ。






「蒼」




大好きなその名前を呼ぶ。




「これからも、ずっとあたしのそばにいてね」




蒼は太陽にも負けない、とびきりの笑顔をくれた。