「ありがとう、唯ちゃん」




そう言ってとびきりのスマイルをくれる。




「これって、唯ちゃんとお揃いだね?

大切にするよ」





蒼の左耳の小さなピアスホールに収まった、小さな羽をモチーフにした金色のフープピアス。

あたしにとって、少し高価なブランドのもの。

最近始めたバイトの給料をはたいて買ったものだ。





「ねぇ、知ってる?

左側は守るほう。

右側は守られるほう。

これで唯ちゃんは、俺に守られていることになったね」




そう言って蒼は、あたしの右耳のピアスに優しく唇を付ける。

そして、お決まりのようにびくんと震えるあたし。

そんなあたしを見て、蒼は嬉しそうに微笑んだ。






そのまま、熱い口付けがあたしを襲う。

唇から溶けて、なくなってしまいそう。

いや……

蒼と一緒になってしまいそう。





「唯ちゃん。

ごめん、俺、もう我慢出来ないや」




あたしを見て、弱々しく蒼が言った。