「実はね、もう一曲あるの」



「え?」



「でもそれは、ツアーの日までお預け」



「えぇっ!?」





そんな意味深なことを言われると、ファンとして気になってしまうじゃん!




あたしは蒼の顔を覗き込んだ。

蒼はその綺麗な顔であたしを見る。

視線があって、顔にぼっと血が上る。

あぁ、あたし、いつまでたっても蒼に慣れないよ。





「優弥も言ってたけど、最近の俺、結構やる気あるよ?」




蒼はそう言って、あたしの髪に唇を付ける。

蒼の香りがして、びくんと身体が跳ねた。




「唯ちゃんが応援してくれるから、俺は何だって出来る気がする」




その言葉が何より嬉しい。

あたしは、蒼の手をぎゅっと握りしめた。




「きっと、ツアーも成功させる。

離れても、俺は唯ちゃんだけのものだよ」